オクトモア13.3 アイラバーレイ 61.1% 700㎖
熟成年数
5年の全期間アイラ島で熟成
樽のタイプ
ファーストフィルのアメリカンオークとセカンドフィルのヨーロピアンオーク(リヴザルト ワイン樽、及びリベラ・デル・ドゥエロ ワイン樽)
香り
麦芽糖と穏やかなピートスモークのアロマに導かれると、フレッシュなグリーンフルーツが幾層にも重なって現れ、やがてローズ、ゼラニウム、アプリコット、ユーカリへと続く。マジパン、ジンジャーナッツビスケット、蜂蜜を絡めたメロン。時間の経過と共に モルト感あふれる フルーティさが前面に現れ、水を一滴加えるとピートスモークが見事に際立つ。
味わい
口当たりは繊細で柔らかく、甘い蜂蜜 とブラウンシュガー、そしてオクトモアならではの穏やかなピートスモークがささやくように 漂う。さらに一口含むと、レモンの皮と貝殻、繊細な海の香りに加え、モルトビスケット、マジパン、ココナッツが押し寄せる。 ピートスモークは靴墨と灰を思わせるものの、花のようなモルトのかすかな香りを輝かせるのに十分なほど穏やかだ。
フィニッシュ
海を連想させる香りが次々と立ち上がり、口の中にスモークが広がっていく。蜂蜜とレモン、暖かい砂とマジパン。そして桃や煮詰めた洋梨のフルーティーな余韻がフィニッシュに向かってほのかな甘さをもたらす。
オクトモア13.3からは驚くようなフレーバーのほとばしりが感じられる。
一つの農場だけで生育した大麦を、アイラ島で採取した種々のピートでスーパーヘビーにピーティングした結果だ。このエディションに使用 した大麦は、蒸留所のわずか3キロほど南に位置する、友人であり良きパートナーであるジェームズ・ブラウンの農場で2015年に生育・収穫されたコンチェルト種大麦だ。
2016年にビクトリア朝の蒸留所で丹念に蒸留された後、ファーストフィルのアメリカンオーク樽とセカンドフィルのヨーロピアンオーク樽に詰められた。
アイラ島産の大麦でウイスキーを造ることは言わば特権であり、シングルエステート(ひとつの農場)、シングルヴィンテージ(同じ年に蒸留)、シングルモルトで提供できることに至っては、詩的と言っても良い だろう。ヘッドディスティラーのアダム・ハネットは、毎年の気候や天候の変化、野生の鹿やガチョウによる被害に左右される農作物の収穫量、畑のテロワールなどの自然要因を考慮しながら、生産者から授かる原酒と向き合う。
オクトモア アイラ・バーレイのこのエディションは、ファーストフィルのアメリカンウイスキー樽を中心に、フランスのリヴザルト地方のワイン樽とスペインのリベラ・デル・ドゥエロ地方のワイン樽のセカンドフィルのヨーロピアンオーク樽も使って熟成を重ねた。ヨーロピアンオークは、アメリカンオークがスピリッツにもたらす主たる特徴に、繊細な構造をプラスする。
バニラとブラウンシュガー、そしてフレッシュで丸みのあるグリーンフルーツの香りがバランスよく調和し、オクトモアならではの柔らかくドライなスモークが、ヨード香とシースプレーを思わせる長い余韻へと続く。